「……大丈夫か?」

「ひくっ…はい……」


まだ鼻を啜りつつもなんとか泣き止んだのは、それから数分も後のことだ。

今もまだ俺にくっついて、息を整えている。


「うう~……」


たく…マジでどうしたんだこいつ。

これで強情なやつだからな…もう聞いても答えんだろう。


そう思い、理由を聞くことは諦めた。








「……ハッ!!!」


「ん?」


「きゃああ!? すすすすみません! すみませんすみませんごめんなさいぃ~~!」


……は?

な、なんだこいつ。


「にゃああ~~……」


変な声を上げながら、数メートル先まで後ずさる。

人の顔見上げるなり…悲鳴上げて逃げるたぁ、いい度胸してんじゃねーか。


「おい…」


そう思っての言葉だったのに、悠由は…。


「ご、ごめんなさい! あのついあの…そ、そんなつもりじゃなくて!」


抱きついていたことに怒っていると思ったらしく、大慌てで言い訳しようとする。