俺様狼と子猫少女の秘密の時間①



――――……


「んー……ここかな?」


メモ用紙を手に、きょときょと辺りを見渡す。


なにこの空き地…。

ずいぶん古いようだけど。

人っ子一人……いや、それどころか猫の子一匹いやしない。


「しかし……一体どうすれば…」


とりあえず来てはみたものの。


待ってれば……いいのかな?


戸惑いは残るものの、他にどうしようもない。

とりあえず、寒さに縮こまりながら端っこのほうの倒れた木に腰掛けた。


本当に……先輩がいるのかな?

ここにいれば…会えるのかな。



疑心暗鬼。


恐らくこの言葉が一番しっくりくるだろう。

それでも僅かな希望なことに変わりはない。


先輩がいなくなってもう一週間以上だ。

あたしはもう、耐えられない。

行方の知れないままなんていや。


時折体を震わせながら、ひたすら待った。



「悠由……!?」




…この、待ち侘びた声が届くまで。