俺様狼と子猫少女の秘密の時間①


「肩って……馬鹿だろ」


「せせせ先輩!?」


んなっ、なんでこんなとこに!?


焦りまくって後ずさった。


「おせーんだよお前は」


「な、なんでここに……」


素朴な疑問をようやくぶつけるけれど、見事に流されてしまう。


「さっさと行くぞ。来い」


「!」


来い、と言いながら、手を差し出してくれた。


この手を……とってもいいんだろうか。

あたしに、この手を握る資格が……いや、そんな勇気があるんだろうか。


「……」


ごくりと喉を鳴らし、自分の右手を見つめる。


「おい…早くしろ」


「あ…は、はい…」



ドキドキドキ…


ドキドキドキ…




パシッと、伸ばされた手を握った。