俺様狼と子猫少女の秘密の時間①


杏子の呆れ返ったような引いているような声に斜め後ろを見ると、那智兄もなぜか固まっていた。


「笑える……」


そして杏子は、クックと必死で笑いをこらえている様子。

なによ…なんなのよ…。



「先輩って……まさか男か?」


「え……あー…うん」


わお。

ピキッて音して固まったよ。

どしたの那智兄。


「那智兄?」


「……」


「…杏子、那智兄どうしたんだと思う?」


「くくっ…さあ? あ、あたし家こっちだ。話は明日聞くからね?」


ばいばーい、と手を振って、逃げるように去っていく。


…なんなんだ……。


「…なちにい。かえろーよ」


「……」


おいおいおい…。

ホントにどうしちゃったんだ?