夕日が見える丘の上の公園。
そこで彼は、いつも本を読んでいる。
時折、本読むのを止めて悲しそうに夕日を見つめながら。
アタシのお気に入りスポットでもある。
『あっあの…』
リン…と鈴を鳴らし、あたしは彼の前まできた。
本を読むのを止め、真っ直ぐにアタシの方を見た。
目線が絡まり、ドキドキと小さな心臓が大きく音をたてて鳴り始める。
『アタシッッ、貴方に恩返しがしたくてきました!』
ビックリしたような表情でアタシを見たかと思えば、直ぐにアタシから視線は本に向かった。
『アタシ、ルナって言います!
なんか困ってることとかありますか??』
「………。」
『あ、の…』
なにを言っても返事は返ってこない。

