申し訳なさそうな顔をして、愛のほうを向く。

「ごめんね、愛。また電池が切れてたの、気づかなかったらしいんだ。ごめんね?」

たいして申し訳ないと思ってないのに、何度も謝る。実は、電池が切れた携帯を放置するのは、彼女たちからの連絡を無視するためにわざと見につけたくせだということは、南たちはしらない。っていうか、知られたら大変なことになりかねないので、いつも申し訳なさそうにあやまる。

愛はしばらく考えたあと、頷いた。

「大丈夫だよ、無視されたのかと思ってたから。気づいてなかったんなら、しかたないよ。今度から気をつけてね。」
「うん、ごめんね?で、何の用だったの?」

愛は困ったようにまたまりなのほうを向いた。

「実はね、南が」

そのとき担任が入ってきて、会話が打ち切りになった。

「休憩のときに話すね。」


その日はお昼まで忙しくて、なかなか話す機会かわなかった。私はまりなの「南が」って言う言葉が気になり、授業どころじゃなかった。南に何かあったらと思うと、いくら最近ウンザリしてても、気が気でなかった。


何があったのかやっと分かったのは、南が険しい顔をして登校してきた、四時限が終わってすぐだった。

けれど、それは私が思ってたのとはあまりに違うことだった。