……小さい頃、おじいちゃんとよくお散歩をしていた。


小学校4年生になって、学校のお友達と遊ぶことがだいぶ楽しくなっていたけど、おじいちゃんと夕方お散歩をするのが何よりも楽しかった。

昼過ぎまで降っていた雨が上がり、太陽が出てきてので今日も二人で出かけることにした。


来たのは、近くの大型ショッピングモール。

「天音ちゃん、走ったら危ないですよ」

ショッピングモールの中にはおもちゃ屋さんや、お花屋さん、ケーキ屋さんと、興味の引くお店がたくさん入っていて、いつ来ても楽しかった。

中でも1番好きだったのが、

「おじいちゃーん、あま、私ゲームセンター行きたいです!」

ゲームセンターは楽しそうな音楽とたくさんの可愛いぬいぐるみや、お菓子もあって、本当にキラキラと輝いて見えた。

もう自分のことを名前で呼ぶのも卒業したいお年頃で、今はたまに出ちゃうけど一人称もだいぶ変えられるようになった。

おじいちゃんの返事を待たずに駆けていく。


「あ!天音ちゃん、待ってくださいっ」