結局、私が買ったシャンパンはホテルでは飲まず、東京に持って帰って夜、家で飲むことにした。

……私はすごい重い荷物を買っただけっていう。

しかもその荷物を智くんが持ってくれてるから、私は一体何をしているのかと頭を抱える。


帰りの新幹線は今度は智くんと並んで座る。

智くんの会社で取ってくれたチケットを使わなかったから、翼さんや東御さんたち、もちろんお姉ちゃんにも、誰にも会わなかった。



「ふふっ、こうして一緒に新幹線乗るの初めてですね!旅行の帰りみたいでドキドキしますっ」

「そうだな、今度はちゃんと旅行しような」

「……っ!はいっ」

嬉しくなって、隣の智くんの肩に頭を乗せて、体重を預ける。


行きの新幹線は、図らずも東御さんと来れて不安はなかったけど、帰りは智くんと一緒だから安心するし楽しい。

今回、一人で新幹線に乗るというのがあまり成功しなかったけど、智くんの誕生日を無事に一緒に祝えて本当によかった。