あっ!

私を一度も見なかったお姉ちゃんの後ろ姿を視線で追う。

そんな私を智くんがスッと背中に手を当て、

「行ってこい」

軽く押してくれる。


それに足が一歩前に出る。が、次を踏み出す前に振り返り智くんを見上げる。

「智くん……」

「ちゃんと戻ってこいよ?」


それに大きく肯くと、今度こそお姉ちゃんのあとを追って外に出た。





ーーーーお姉ちゃん、私は。