「週末に姉と彼氏の鉢合わせなんて、また天音がおかしな精神状態になったかと思ったけど」

私にチラリと視線を流し、柔らかい笑みを作る。


「案外能天気に楽しそうで、安心した」


ほらね、やっぱり優しいんです。

暖かいんです、咲ちゃんの側は。

私も咲ちゃんのようになりたいんです。

その暖かい気持ちで大切な人を大切に出来るようになりたいんです。


私の両手は小さいから抱えられる量は多くないから、多くの人を気にかけることは出来ないけど。

この手の中に収まるものは、全て。

大切にしたい。

守りたい。