「今の頭のおかしい私は、自分で自分のことを信用できないんです。こんな自分も嫌いだし、軽蔑もします。でも、……あなたのことは信用します」


伏せられていたまつ毛が揺れ、ゆっくりと目蓋が上げられその瞳が俺の姿を映し出す。


「そんなあなたが必要としてくれるのなら、私は、自分を大切にしようと思えます」


その言葉に俺は目を細め受け入れたことを伝えるように微笑む。

今日という日は、人生で一番大きなものを手に入れた忘れられない日だ。




「いらないならその命、俺に預けろ」





ーーーーこうして俺の手元に、この泣けない女がやってきた。