「ん?」

「お、おはようございますっ」

さっきまでの自分の行動を知られているとわかり、かっと途端に恥ずかしくなった私の顔に熱が集中する。

「……ああ」

まだ少し眠そうな声でいつもよりゆっくりと返事が返ってくる。


「あの、わ、私、朝食の支度をしようかなぁ、なんて」

解けない腕の中で(もが)いていると、今度は足まで絡まってきて、

「智くんっ?」


緩んだ智くんの右手が私のTシャツの裾から侵入し、お腹を撫でられ、


「……ひゃっ……」

脇腹の弱い私はそこに触れる手に思わず声が出る。


次の瞬間、私の視界はぐるっと回り後ろにいたはずの智くんと向かい合わせになっていた。


智くんは寝起きとは思えない優雅な笑みを口元につくると、ゆっくりと顔を下げて私の胸元に埋める。