「はい。起立」


座ったばかりのあたしの脇を持ち無理矢理光太に立たされた。


「ちょっと!!座らせてよ!!」


いきなりの事に驚いて光太に声を張り上げた。


あたしの体と光太の体が近くにある分、声が耳に響いたみたいで光太の体が少しビクついた。


高校生だと言うのにこんなことでビクッとしている光太がぁぁぁぁ…


好きだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


あたしの顔はついついニヤけてしまう。


そんなあたしに光太は気づいてないみたいだ。


「こんなところに座ったら熱が上がるかもしれないだろうが。さっさと寝に行け」


光太はそう言いながらあたしを二階へとつながる階段の前まで脇を抱えたまま連れていく。


階段の前まで来て乱暴に床に落とされた。


「俺は今日、日直だから早く学校行くけど俺がいない間に家から抜け出すんじゃないぞ」


わかったな、と言わんばかりに人差し指を立ててあたしの目の前までつきだしてきた。


きっと今のあたしは目が中心に寄っているに違いない。


「わわわ、わかった」


あたしは光太の人差し指を眺めながら何度も頷いて見せる。