聖斗はよく嘘をつくんだ。
俺のことが大好きすぎるんだな、きっと。
なんて、心の中で頷いていた。
『彼女、いないのかい?』
『はい、いませんよ』
俺ははっきり言った。
てか、いないもんはいないんだよ。最近別れたばっかだっつぅの。
二回も同じこと言うのってなんかイライラするよねぇ。
どんだけ笑顔で言っても信じてくれないなんてこいつら本当に大人かよ。
あ、もしかして俺がかっこよすぎるからいないなんておかしいだろ!?みたいな感じなのか??
まぁ、それなら許してやれるな、うん。
また自分の心の中で頷いていた。
俺が一人でそんなことをしている間に医者と看護師が何かを話し合っていた。
聞こえてきたのが
『一部の記憶だけなくなっているかもしれない』

