あたしが顔を上げると大きな背中だけしか見えなくて 背中越しに勝手に繋がれた赤月君の手は冷たいのに温かくて 俺の背中で泣けと言っているようで あたしは二人にバレないように声を殺して 赤月君の大きな背中を借りて 泣いたんだ――… 《友達》 悠雅の近くに居られれば いいと思ったけど 友達でいるのは とても苦しいものだった