い、今なんて?


そんなことを思っている間に
聖斗は無表情のまま私に背を向け
校舎の方へと向かっていく。



「ええ!?、ちょ、聖斗!?」


私は、何が何だか訳が分からず
とりあえず聖斗の名前を呼んで引きとめようとする。


けど、聖斗は私の方へ振り向くどころか
どんどん先に進んでいってしまう。


え?


え?


どうゆうこと?


小麻里ちゃんが聖斗のことが好き?

な、なんでそうなるの?

そうなっちゃうの?


私は訳が分からず
その場で放心状態になってしまう。


そんな私を周りの人は不思議そうな目で見て
通り過ぎていく。


でも私はどんどん離れていく聖斗の背中を見ることしかできなかった。


すると…


聖斗の足がピタリと止まる。


そして私の方へとまた歩み寄って…










ばちんっ!!!!!!




「いっっ!?」




聖斗は大きな両手で私の頬を
思いっきり叩いてきた。


そしてグリグリとねじ繰り回す。


私はあまりの痛さに涙目に…
っとゆうか泣いた。


痛いし。すごい痛いし。


涙をポロポロ泣かす私を見て
聖斗はニヤリと笑った。



「そんな泣くな」


誰のせいで泣いてんだよ。
聖斗が叩いてきたからじゃん。


なんて言えるわけもなく
私はただただ聖斗を見上げる。


「そんなに心配しなくても
兄さんは美夜のところに絶対帰ってくる」