悠雅。

悠雅……




私は心の中であなたの名前を呼ぶ。


こんなにも好き。


でも、でも…





小麻里ちゃんを
私みたいな思いにさせないように…。


私はぎゅっと握った手の痛みで
心の締め付けられる思いを隠すのに必死だった。














-------------------悠雅が私の家に訪れる少し前の事

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ピンポーン。


暑い夏のこんな昼間に
誰かが私の家に訪ねてきた。


宅配?

それとも迷惑なセールスマン?

そんなことを思いながら
私は重たい腰をゆっくりと上げて
玄関の方に歩いていく。