俺は初めて
美夜に拒絶された気がする。
俺は美夜に触れていた手を離す。
美夜は涙を流したまま
何も話そうとしてくれない。
どうして?
どうして、そんなこと言うんだよ…
俺は嘘なんて
ついてないのに。
「お、俺、嘘なんかついてない。
俺のこの気持ちは本当で
美夜を好きな気持ちは本当……」
「うそ…」
美夜が即座に俺の言葉を否定する。
その冷たい言葉と同時に
俺を睨みつける鋭い瞳に俺の心がえぐられる。
どうして、どうして、そんな…
「そんな言葉、もう…信じないよ。
あたしと付き合ってたときみたいに……
もう、もう、これ以上……
小麻里ちゃんのこと傷つけないであげて…?」
は?
俺のときがぴたりと止まる。
小麻里?
どうして、小麻里が今、出てくる?