俺は八神の言葉に目が点になる。
「な、なんで…八神がそんなこと」
知っているはずがない。
そう言おうとしたのに
海哉の言葉が俺の声の邪魔をした。
「なんで俺と美夜が付き合ってるってことになってんの?」
その言葉に俺の心はもやりとした。
こいつ……
美夜のことまた呼び捨てにした。
「お、おい。海哉、気安く美夜のこと……」
「海哉!なんで美夜のこと呼び捨てで呼んでるの!?」
そう言って八神は俺たちの間にあるガラスを叩いた。
バンっと音を立ててガラスが揺れる。
その迫力に圧倒されて
言葉を失ってしまう俺。
ななな、なんでこんなことで八神が怒るんだ?
わけが分からず
二人を交互に見る。
「いや……だから、その…
美夜は呼び捨てで呼んでも何も言わなかったし」
「だからって呼び捨て!?
この……浮気者!!
ここから出たらぼこぼこだからね!」
ん?
ちょっと待て…
う、浮気者ってどう言うことだ?
「れ、玲、落ち着け……」
海哉が慌てて玲のことを落ち着かせる。
俺は二人の話がわからない。
「お、おい…なんの話してるんだよ…
浮気者って……?」

