ああ、もう……

ひどく頭が痛い。

馬鹿な頭で
考え過ぎたからなんだろう……。



「はあ……最悪」


「え?」


俺がぼそっと独り言を話したとき



誰かが俺の独り言に反応してきた。



俺は下を向けていた頭を起こし
その誰かを見る。


いちいち、誰だよ…

見ず知らずのやつの言葉に反応してくるやつは……。


なんて、思いながら……


でもそんな俺の考えは
すぐに打ち砕かれる。



「……え」


俺は驚きで
つい変な声が出てしまった。


だけど、そんなこと気にもとめず
俺の目の前にいる男は平然とした顔で
口を動かした。



「……久しぶり、悠雅」



ああ、本当に久しぶりだ。


まさか

こんな道端でばったり会ってしまうなんて。


それに

今、俺はあまりこいつの顔を見たくなかった。


だって……


こいつは………




「…久しぶり……


海哉」



だってこいつは


もしかしたら今、


美夜のことを好きかもしれない……いや…


美夜と付き合っているかもしれない


そんなやつだから……