続・女好き彼氏




「この間は……ごめん」


荒い息をさせながら
困った顔になる光太くん。


この間?


もしかして、美夜となにかあったの?


あたしの中に小さな不安がよぎる。


なんだろう、このモヤモヤした変な気持ち。


「この間……ううん、謝らなくていいよ」


光太くんが今何を言ってるのか
今のあたしにはわからない。


でも、でも……
光太くんがなぜ美夜に謝ったのか気になる。


どうしても


気になってしまう。


心のモヤモヤを消したくて
あたしは光太くんに問いかける。


「あ、の……光太くん、あのね…っ」


聞きたいのに
緊張で声がうまく出てこない。


どうしよう……。


あたしは光太くんになんて聞けば…。


あたしは自分の拳を
ぎゅっと握り締める。


すると光太くんが少しずつ話し出す。


「この間は……きっと俺がどうかしてた。


美夜が悲しそうなのを見て……ゴホっ…

俺が…俺がお前を守れたらと思って…


弟としてじゃなくて


一人の男として……


美夜を守りたい」





ああ、きっと


きっと、今の光太くんは


本当に美夜に言っているつもりなんだろう。


だって


だって……



そんなに真っ赤で
真剣な潤んだ瞳でどこか遠くを見ながら
話してくれたから………。