「美夜」 光太はまたあたしの名前を呼んで あたしのおでこに自分のおでこを コツンっと当てる。 光太の香りが近くなる。 光太の息が近くなる。 光太の体温が近くなる。 固くなった あたしの体では 今の光太から離れることなんてできない。 光太の動き 一つ一つに体がビクビクと反応する。 「美夜、ごめん」 光太が二回目のごめんを言う。 「え…」 光太はあたしに謝ると同時に あたしの顔に自分の顔を近づけた。 光太とあたしの鼻先が触れるまで あと、3ミリちょっと……。