「もし、俺の好きが
美夜と違う好きなら……
美夜なら、どうする?」
あたしは
戸惑うことを
忘れてた。
突然の
意味のわからない光太の問。
あたしの好きと
光太の好きはどうやら違うみたい。
すると光太は
あたしを抱きしめている腕の力を緩めて
ゆっくりとあたしを自分の方に向かせる。
あたしは
光太の顔が見れなかった。
なんで、だろう。
怖かった。
今の光太を見てしまうのが…
今
光太を見てしまったら
何かが
あたしと光太の何かが
壊れてしまう。
そんな気がしたから。
「美夜」
どんなに光太が
あたしの名前を呼んだとしても
あたしは光太の方に顔を向けられなかった。

