「………」
光太がまた何も言ってくれなくなった。
また、廊下が静かになる。
たださっきと違うことは
あたしの心臓がバクバクとうるさいこと。
ど、どうしたんだろう……あたし。
光太に
こんなにドキドキしているなんて……。
ああ、この沈黙がとてもとても
苦しく感じる。
息苦しくて
どうやって息をしたらいいのか
わからなくなってしまう。
あたしの息は無意識に
荒くなってしまう
クス…
「え……?」
そんな戸惑うあたしを見てなのか
光太があたしの耳元で笑った。
「やっぱり……
俺は弟なんだ……」
そう、悲しそうに呟いて
光太が乾いたような声で笑う。
「こう、た……?」
「なあ、美夜……」
光太は少し空気を吸い込むと
息を吐く音と同時にあたしに話かける。

