「うっ……光太……」
さっきよりも
汚く泣いてしまうあたし。
安心したら…
また涙が…。
「我慢すんな」
光太のその言葉に甘えて
涙が次々と流れ出す。
光太が優しすぎて。
光太に甘えすぎて
あたしのせいで
光太に辛い想いをさせてるのに……
優しい光太に甘えてしまうあたしは
本物の馬鹿だ。
二人だけしかいない家で
二人だけしかいない廊下で
光太に弟に甘えているあたし。
あたしの鼻をすする音が廊下に響いて
あたしが泣き止むまで
ずっとあたしの頭を撫でてくれた光太。
そんな二人の間に
沈黙が流れる。
そして、その沈黙を破ったのは……
「美夜……
聞いて欲しい……ことがある」
弱々しい光太の声だった。

