「え、ちょ……光太っ」
あたしはいきなりのことで
体のバランスを崩して
光太に自分の体を預けるような形になってしまう。
「ど、どうしたの?」
あたしは慌てて光太に問いかける。
だけど光太は何も答えてくれなくて
ただただ、
あたしの肩に顔を埋めているだけ。
ど、どうしたんだろう。
光太がいきなりこんなことするなんて。
あたしはいつもと
何かが違う光太に少し戸惑いながら
光太の返事をじっと待つ。
そして、数分がたったころ……
光太があたしにしか聞こえないぐらいの
小さな声で何かをボソっと呟いた。
「俺に………嘘なんかつくな……」
「え……?」
あたしは光太の言葉にどきりとして
体を少し強ばらせる。

