―――――――――…



「……や…」


「…みや」



「みや」



「………姉ちゃん!」



「は、はい!」


いきなり耳元で
光太があたしの名前を呼ぶ。



あまりにも大きな声で
体がびくりと跳ね上がった。


キーンっと変な音がなっている左耳を抑えながら
あたしは光太の方を見た。



そこには
ちょっと心配そうに
あとちょっとはムスっと拗ねた表情をした
可愛らしい光太がいた。



「な、なに…?」



うわ…
久々に可愛い光太見たかも。


「なに?じゃなくて
家、付いたんだけど?」


「え?あ……」



あたしは光太の言葉にハッとする。



あれ?
もう、家についてたんだ…。


あたしはぼけっとしたまま
自分の家を眺める。



「おい。そんなところに立ってないで
早く入りなよ」



そう言って
あたしの有無を聞かず
光太はあたしを引っ張るようにして
家の中に連れ込んだ。