え、
嘘……
どうして?
あたしは
思わず足の動きを止めてしまう。
「美夜?」
てるちゃんの
あたしを呼ぶ声も
光太が切なそうに
あたしを見ている眼差しも
あたしの耳には届かない。
あたしの瞳にも入ってこない。
ただ、あたしに見えるんは
悠雅だけ。
悠雅?
どうして?
どうしたの?
あたしの頭の中には
ハテナがたくさん浮かんでる。
だって
わからないんだもん。
悠雅
どうして?
ねえ、どうして
どうして?
「悠雅?」
あたしが悠雅の名前を呼ぶと
悠雅があたしの方を見る。
ドキン…。
たったそれだけで
あたしの心が脈打った。
だって、
その顔、反則だから。

