「……お前…」
「え?」
あたしの後ろに立っている光太が
悠雅を見て何かを呟く。
でもその声は小さすぎて
あたしには何を言っているかわからない。
光太、なんて言ったの?
そう聞こうとしたけど
「ほ、ほら!美夜、行こ!!
悠雅くんも小麻里ちゃんも、先生が探してたよ?」
てるちゃんがこの気まずい雰囲気を変えようと
慌てた様子で話し出し
立っているあたしの腕を強く引く。
行こ行こ!
そうとでも言うように
あたしの腕を引っ張って歩こうとするてるちゃん。
「あ、あの、てるちゃん?」
痛いぐらいにあたしの腕を引っ張るてるちゃん。
あたしはその力に負けて
てるちゃんにつられるように歩く。
そんな、あたし達の後ろから
二、三歩遅れてついてくる光太。
ど、どうしたんだろう、てるちゃん。
そんなに
あの気まずい空気に耐えられなかったの?
そんなことを考えてしまうほど
今のてるちゃんには余裕がないように見える。
あたしはそんなてるちゃんを見て
疑問に思いながらも悠雅の方へ振り返る。
「……え…?」

