「だ…だって……」

「ん?」


小麻里が呟くように
何かを言った?


本当に小さな声であまりよく聞こえないけど
俺に何かを伝えようとしているのはわかった。


そして
俺は耳を澄まして小麻里の声を聞く。


「だって、先輩と別れたら……

先輩と美夜先輩が付き合うじゃないですか」
















「は?」





え?





い、今なんて?




俺は下を向いて
気まずそうにしている
小麻里のことを見下ろす。


自分と別れたら
俺が美夜と付き合うから
別れたくない?



な、なにそれ……。



「べ、別にいいだろ?

俺が誰と付き合うかなんて
小麻里には関係ないと思うけど…」



俺はなんて応えたらいいか分からず
とりあえず自分の首の後ろをかく。



だけど小麻里は
俺の言葉を聞いて
下を向いていた頭を勢いよくあげる。








「か、関係あるもんっ!!」