「で、でもお前……


俺じゃなくて聖斗が好きなんだろ?」



俺はドキドキと跳ねている
心臓を抑えながら小麻里に問いかける。


う、俺はなにを…


不覚にもドキドキしてるんだ?


ドキドキしすぎて
小麻里の顔がまともに見れない。


そんな俺をよそに
小麻里は、軽く首を傾げた。



「せ、聖斗のことなんか

す、好きじゃありましぇん…」



小麻里はわかりやすいぐらいに
動揺している。


目が泳いでどこか変なところを見て


顔を真っ赤にして……。



うわぁー…


小麻里っていつも
何考えてるかわからない感じだったのに


こう、ちゃんと見ると


わかりやすすぎる。


小麻里の言葉に
俺は苦笑いする。



って、おい、ちょっと待て。


じゃあ、なんでだ?


「なんで俺と別れてくれないわけ?」


そんな疑問が頭の中に浮かんできた。


だって
おかしいよな?


俺のことが好きじゃなくて
小麻里は聖斗を好きなのに……



どうして?