言葉が………
出てこない。
嘘なもんか。
小麻里が好きで
お前の事しか
見れなくて
お前の事しか
考えられない。
そう言って
今まで女の子達にやってきたみたいに
優しく抱きしめてやればいい。
たったそれだけすれば
大抵の女の子は
すんなり信じて俺に体を預けるみたいに
俺の胸に寄りかかってくる。
そう、
小麻里にも
いつもみたいに
甘い言葉を言えばいい。
たった
たった、それだけの
俺にとって簡単なこと。
なのに……
どうしてだろうか。
小麻里の言葉に
目を逸らしてしまう。
心がビクビクと
何かを怖がっている。
どうしたんだよ、俺。
どうして、こんなにも
動揺してるんだ。

