「え？」
いきなり大きな声で
呼ばれて、
自分の体の動きを止める。
そんな戸惑っている俺を
知る由もなく
俺に背中を向けたまま
小麻里は、淡々と話し出す。
「先輩は……あたしの彼氏……ですよね？」
「………」
いきなりの質問に
俺は目を丸くした。
え？
あたしの彼氏って……
なんでそんな当たり前のこと
聞いてくるんだよ？
「うん、俺は小麻里の彼氏だよ」
「じゃあ、あたしのこと好きですか？」
俺の言葉をまるでわかっていたかのように
すぐに俺に問いかけてきた小麻里。
「好きだよ」
嫌いだったら
付き合ったりしないし。
そう思って自分の首元を触る。
すると小麻里が
俺の方を見た。
悲しそうな瞳をして………
「先輩の………嘘つき…」
小さく呟かれた小麻里の言葉が
俺の心は大きく揺れる。
