悠雅*サイド


今日、美夜を見た。


夏休みなのに

それも、秘密の演劇練習の時に

美夜を見たんだ。


ドキリとした。


美夜がいる。


それも私服で。


初めて見た美夜の私服。


か、可愛い。


そう思った考えをかき消すために
大きく頭を振る。


可愛い…けど
別に俺のタイプじゃないし。


俺はもっとセクシーな人がいいし。


「あ、あの…先輩?」


「え!?」


変なことを考えているときに
話しかけられたせいで
肩がびくりと飛び跳ねる。


「え、あっと…なんだった?」


俺は、話しかけてくれた
後輩の女の子に気が付かれないように慌てて平然を装った。


「はい、そろそろ休憩に入ろうかって…
これ、お茶どうぞ」


「ありがとう」


後輩から紙コップに入ったお茶を受け取り
一口飲む。


後輩の女の子は俺に軽く頭を下げると
俺の元から離れていく。


はあ…びっくりした。


そう思って軽く息を吐いて
美夜がいた方にまた視線を送る。















「え……」



俺は思わず、持っていた紙コップが手から滑り落ちる。



















あれ。

あれ。

あれ?


なに、してんだ。


美夜?