「い、痛いから離してよ…」


あたしがそうゆうとすんなり手を離してくれた。


あれ?
なんだか今日の聖斗、やけに優しい?


そんなことを考えながら
軽く首を傾げていると
聖斗が見下すようにあたしを見る。


「……悪くないけど………さ…」


「え?」


「だからっ!
悠雅を見に来るのは、悪くないって言ってんの」


聖斗は、そうゆうと
軽くあたしの頭を弾く。


いて。


心の中でそんなことを思いながら
弾かれた自分の頭をさする。

………。


やっぱり、今日の聖斗…優しい。


もしかして、あたしが落ち込んでたの
見抜かれてたりして。


そんなことを考えたら
なんだか心の中がぽかぽかして


「へへ……ありがとう。聖斗」


勝手に頬が緩んで笑顔になる。


なに笑ってんだよ。なんて言いながら
少し照れる聖斗がなんだか可愛く見える。


だから、あたしは思いっきり背伸びをして
かっこよくセットしてある聖斗の髪を
ワシワシと撫で回す。


「や、やめろ、ばか!」


「可愛い、可愛い」


照れる聖斗の意外にも柔らかかった髪を撫でていたあたし。


ああ…


心配させてしまったな、なんて思いながら
撫で続けたあたし。


そんなあたし達の姿を見ていた人が一人。































「………あの二人……付き合ってんの?」


心を痛めている人が


ここに一人。