『あたしのことも……抱いてよ……』


こんな言葉


何回も女の口から聞いてきた。


その度に笑顔で返事をして適当な場所で女を抱いて捨てるだけ。



そんなの俺には当たり前のようなことだった。



当たり前だと思ってた。



美夜がこの言葉を口にするまでは……



美夜が言った時



俺の心に何かが引っ掛かった。



美夜のことは一度だけ抱いてみたいと思ったことがある。



白い雪のような肌にいつもピンク色の頬
髪はグシャグシャにしてもすぐに元に戻るぐらいサラサラで胸は普通より大きめで……



どんな声が出るのか試してみたい。



って思うのに



俺は



その誘いをなぜか

断ってしまった。



今でもよく分からない



なぜ

俺は美夜を抱こうとしなかったのか……