悠雅*サイド



※悠雅が美夜の記憶を無くす
 ずっとずっっと前に起きた事。

 悠雅が美夜と高校で出会ってから
好きになるまでの物語です────


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高校に入ってからもう3ヶ月
廊下で見かけたあの子。


あれってきっと…………


『美夜……………だよな?』


『は?誰、それ?』


俺の言葉で首を傾げた俺の親友の海哉。


『誰って!いつも話してたじゃん!
小学生のとき好きだった子だって!!』


『いつもじゃないだろ』


興奮する俺の隣で冷静な顔と声で
俺のことを見ている海哉。


た、確かに毎日は言ってないとして……


でも、あの子は確かに美夜だ。


にこにこと眩しい笑顔。
女の子らしい仕草に
コロコロかわる表情が可愛すぎる。


昔とは違う。


大人になった美夜に俺は言葉を失って見とれてしまう。


『………………』


俺は何も言えず廊下で友達と話している美夜に見とれていた。


するといきなり、海哉に頭をガシッと掴まれてしまう。


『見すぎ』


ボソッと呟かれた言葉に
俺はびくっとしながら、頭の上に乗っている海哉の手を払いのける。


『べ、別にみてねぇし!』


少し大きな声が廊下に響いてしまう。


あ、ちょっと声………大きすぎた。


そう思ったときにはもう時は遅くて
廊下にいた数人が俺の方を見ていた。


その俺のことを見ている数人の中に美夜もいた。



どきん。


見られてる。


そう思うだけで心臓が大きく跳ねる。