俺は胸の苦しさのあまり下を向く。


『でも…………』


すると、女の子と声が不意に聞こえてきた。


下を向かしていた頭を
ゆっくりと上げて女の子の方に視線を向けると
女の子は一瞬、悲しそうな表情を浮かべてから
俺に向かってにっこりと微笑んだ。


『悠雅くんとはまた会える気がするから
あたしは寂しくなんかないよ』


こてんっと頭を小さく傾げて
少し頬を赤らめて


女の子は俺に笑う。


その言葉に俺の苦しかった心臓は
破裂しそうなぐらい飛び跳ねて嬉しくなって………


あぁ、俺は

どうしようもないぐらい

この女の子の事が好きだったんだ。



そう、思ってまた女の子の方を見たとき

もやがかかって見てにくかった女の子の顔が
はっきりと見えた。


俺はその女の子を見て息をのむ。

目をこれでもかってぐらい開いて

息をすることさえも忘れる。



だって、だって…………



その女の子……………




『美夜………………?』



まるで美夜みたいなんだ。