「あ、あの………」


オドオドとあたしの事を上目遣いで見上げてくる、小さくて細くて可愛らしい女の子。


長い黒髪がものすごく似合ってて
白い肌をピンク色に染めている。


なんでこんな可愛らしい女の子があたしなんかに…………


そう思ったときハッとした。


どこかで見たことがある気がしたこの女の子。



「あたしのこと覚えてますか?」


その女の子の言葉で確信する。


やっぱりこの子あのときの………



保健室で悠雅に絆創膏を張ってもらってた子だ……。


あたしは女の子の細い足を見る。


そこにはまだあのとき怪我をしたと思われる傷がうっすらと残っていた。


「先輩?」


何も言わないあたしを不思議に思ったのか女の子があたしを呼ぶ。


そしてあたしは慌てて女の子の顔を見て謝ろうとした。


けど………


あたしはその女の子の表情を見てぞっとする。


さっきのオドオドとして可愛らしい表情とはまるで違う。


にっこりと微笑んでる口元とは反対に瞳はあたしを睨んでいるみたいに見える。




「先輩………覚えてますよね。あたしのこと」