「でさー、あいつが────…」



悠雅から近寄るなって言われてから
一週間がたったと思う。



「それで─────……」


あの保健室のときから
やけに悠雅の言葉が耳に入ってしまう。


些細なこと、笑い声。


どんな事でも聞こえてくる。


そのたびにドキドキして

どうしたらいいかわからない。


「美夜、どうしたの?」


あたしの事を心配そうな顔でのぞき込んできたのは最近元気のないてるちゃんだった。


あたしはてるちゃんの言葉にハッとして
にっこりと微笑んで見せる。


「なんでもないよ?」


そう言ったのにてるちゃんはとっても不満そうな表情をしている。


「ほんとに………2人って似てるよね」


そうボソッと呟いた言葉はあたしの耳に届かなかった。


「え?」


「なんでもない」


そう言うてるちゃんの方が何かあったみたいに寂しそう。


「あの…………てるちゃん」


「ん?」


「なにか………あったの?」


「…………」


あたしがそう訪ねてもてるちゃんは
口を閉ざしたまま何も言わない。