「嫌いも何も…………彼女でもない、つき合ったこともないやつのことなんて、嫌いとか好きとかになるわけないし」
そう言うと悠雅はあたしの手首をぐっと掴む。
もう、ほんとに……………痛いぐらいに強く掴んだ。
「俺の記憶がお前の事だけ忘れてたとしても
俺はお前なんかを思い出したくないんだよ…」
強く………
強く…
言葉を口から出すたびに強くなっていく
あたしの手首を掴む力。
痛いなんてこと忘れてた。
だって……
だって、悠雅?
あたしのこと思い出したくもなくて
嫌いでも好きでもないのに………。
ねぇ、なんでなのかな?
「お前の事なんて一生忘れててやる」
なんで………あたしに………
あたしなんかに………
キスしてきたのかな?

