ニコッとまるで悪魔みたいに悪い笑顔。
それなのに
あたしの心はその言葉に対する期待と
冷たすぎる悠雅の態度への悲しさが入り混じって
もう何がなんだかわからなくなっていた。
そして、悠雅の顔が徐々に下へおりていき
ふぅっとあたしの首筋に息を吹きかける。
「…………っ」
ぞくぞくと体が震えて一気に熱くなってしまったあたしの体。
そんなあたしの反応に気がついたのか悠雅がクスッと笑う声が聞こえた。
「あぁ、ごめん………感じちゃった?」
そう言ってあたしの耳元で甘く囁き
チュッと音の鳴るキスをあたしの耳にする。
その行為にあたしの体がまた震える。
あたしの体がビクビクと震えるたび悠雅はクスクスとあたしの反応を見て面白がっている。
そして、笑う声が聞こえなくなったかと思うとまるで別人みたいに冷たい声で囁いた。
「海哉にもそんな可愛い反応見せるんだ…」
「………え?」
なに、言ってるの?
あたしの頭の中にハテナマークがたくさん浮かぶ。
なんで、こんなときに海哉くんのことが出てくるのかあたしはさっぱりわからない。
だってあたしは、海哉くんとはそんなに話したこともないし………
最近たまに話すようになっただけで仲がいいわけでもない。
それなのになんで海哉くん……?
そんな考えを自分の頭の中でぐるぐると巡らせていると悠雅の手があたしの頭を撫でるように触れてきた。
「─────…」

