「海哉に聞いただろ?
俺に関わらないでほしいって……」
ビクッ。
あまりにも低い声にあたしの身体が恐怖で震える。
「それとも何?
また俺に抱いてほしいって言うわけ?」
そう言う悠雅は口元だけ笑っててまるで瞳だけ別人みたいに笑ってなくて……
頭の中が真っ白なあたしは
悠雅のその言葉に言い返すことが出来ず、悠雅があたしの顔に近付いているなんてわからなかった。
口を開いて…………
悠雅に違うって否定しないといけないのに。
どうしても口が開かない。
震えてしまう、喉に何か詰まってるみたい。
必死に声を出そうとお腹に力を入れるけど
口が開かなかったら意味がなくて………
ただただ、涙を流さないように必死で耐えることしかできない。
「やっぱり………………お前も俺の顔しか見てない」
そのボソッと呟いた言葉があまりにも近くで聞こえて、あたしはやっと悠雅があたしの近くにいることに気がついた。
でも気がついたとしても後ろには壁があって
悠雅から逃げることは出来ない。
そして………………
「そんなに俺に抱かれたいなら……
抱いてあげよっか?」

