え?
あたしのそのてるちゃんの表情に自分の笑顔が固まってしまう。
てるちゃんは何故か気まずそうに下を向いてしまった。
「ど、どうしたの?」
いつもなら光太の話に食いついてくるのに……
もしかして、光太となにかあったとか?
いつも元気で明るいてるちゃんが落ち込んでしまうとあたしの気持ちも落ち込んでしまう。
あたしは何も言わないてるちゃんをただ心配そうに眺める。
「あ、あのね………あたし………」
「てるちゃーん!保健室のツバメ様がよんでるよーー」
てるちゃんがあたしに何か言おうとしたとき
遠くの方から同じクラスの女の子がてるちゃんのことを呼ぶ声が聞こえた。
その女の子に応えるみたいにてるちゃんはその場から勢いよく立ち上がる。
そして、あたしにいつもより元気のない笑顔を見せて……
「やっぱり、なんでもない!」
そう微笑みながら言うとてるちゃんは女の子が呼んでいる教室の出入り口の方に歩いていく。
てるちゃん。
あれは、絶対光太となにかあったよ。
あたしはお箸で串刺しにしたミートボールを自分の口の中に放りこんだ。
「美夜ちゃん」
もぐもぐとミートボールを頬張っているとき
目の前からあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。
あたしは口に入っていたミートボールをゴクリと飲み込むとあたしの名前を呼んだ人をみあげる。