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美夜が悠雅の記憶を取り戻させると決意したとき……


そのとき、光太は泣いていた。


「ほんと……鈍感だよ、姉ちゃん……」


体を震わせ

美夜を抱きしめたい気持ちを押し殺して

溢れてすでに零れている美夜への気持ちを
必死に押し殺して……


なんで、自分の姉を愛してしまったのか

なんで、姉じゃないと駄目なのか

なんで、好きになってしまったのか

なんで、俺たちは姉弟なのか………


『好きだ、馬鹿。鈍感やろう。
 幸せになれよ…姉ちゃん』


そう思いながら涙を流し


自分の姉の幸せを光太は願った。


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