撫でると言うよりまるであたしの頭に優しく触れているみたいな感じだ。


光太の顔を見たくてゆっくりと自分の頭を上げようとする。


けど……


「頭上げんな…」


そう言われると同時にあたしの頭を抑えつけてきた光太。


い、痛い。


でも、どうして頭を上げちゃいけないの?


そんな疑問を心に浮かばせながら
あたしは黙って下を見続ける。


すると、光太の体が少しあたしに近づいた気がした。


でも何をしているかあたしにはわからない。





チュッ。



そんな音が聞こえたと同時に
あたしの頭に光太の手、意外のものが触れた気がした。


「光太?」


あたしは光太が何をしているか気になって名前を呼ぶ。


でも、光太はあたしの声に応えてくれず
ゆっくりとあたしから離れた。


「この鈍感」


ピンッ


そう呟くように言われると、今度はあたしの額をデコピンしてきた。


「いった!なにが!?」


いきなりの光太の可愛らしい攻撃に少しムッとしながら涙でで光太を睨みつける。


すると、光太はにっこりと微笑んだ。


「劇…………
 仕方ねぇからかっこよく演じてやるよ」


そう言ってまたあたしの頭に手を伸ばし二回、ぽんぽんっと叩かれると光太はあたしの部屋から出て行った。