そしてツバメ様の手があたしの頭から離れたかと思うと、今度はあたしの頭の上にのせられている光太の手の上にまた自分の手をのせるツバメ様。
「今は泣くより大切なことがあるだろ？」
ツバメ様のその言葉があたしの心に何故か響く。
あたしは涙を瞳にいっぱい溜めたまま、ツバメ様のこのを見る。
するとツバメ様は今までに見たこともないぐらいの優しい笑顔であたしのことを見てくれてた。
あぁ………そっか、そうだよね。
ツバメ様も人間だったんだ……。
なんて、バカみたいだけどそんなことを考えてしまう。だってそれを考えないとツバメ様にドキドキしてしまいそうだから。
そんなことを考えているあたしに向かってツバメ様は口を開いた。
「今は泣くより、俺に感謝の言葉を大声で叫んで言うときだろうが」
その、今までに見たことがない笑顔のまま
ドスのきいた低音ボイスでそう言うと同時にあたしの頭と光太の手をまた片手で鷲掴みにしてきた。
どうやらやっぱり
ツバメ様は人間じゃないよ。
極悪非道の宇宙人だよ。
