ツバメ様の口から呟かれたその言葉はいつもより素っ気なくてまるで突き放してるような言い方で………
でもとっても心がこもって、乱暴に撫でてくれてる手から暖かいものが注ぎ込まれてるみたいで……
「今度心配かけたら、お前の指の爪一枚一枚はがしてやる」
普通に聞いたらただの恐怖の言葉にしか聞こえないツバメ様の言葉だって、今はとても愛のこもった温かい言葉にしか聞こえない。
あたしの瞳から温かい雫が落ちたとき
心の中に溜まっていた重たいなにかも一緒に落ちていったみたいに心が軽くなる。
「あ………ありが、とう……」
自分が泣いてしまっているせいか
言葉は途切れ途切れにしか喋れないうえに、声はとても小さくて何を言ってるのか自分でもわからない。
でも………それでも…
心から思ったこの言葉を今ここにいる二人だけでも伝えたくなった。
「泣くな……」
そう言って光太もあたしの頭を優しく撫でてくれる。
ポカポカポカポカ温かい。
泣くなと言われても涙が勝手に流れてしまう。
「そうだぞ？今は泣いてるときじゃねぇ…」
低くボソッと呟いたツバメ様の言葉と同時に
あたしの頭を乱暴に撫でていた手がピタリと止まる。
