「なに、その笑顔……」


まだムスッとした表情の光太。

だって光太があたしのこと心配してくれるのが嬉しくて、つい笑ってしまうの。


なんでもないよ。


あたしは自分の鼻をまだ光太につままれながらも、その言葉を言おうとした。


だけど………


「お前の顔が見るに耐えないブサイクだから、美夜は笑ってごまかしたんだよ」


誰かがあたしが言葉を発するより先に、そんな酷いことを光太に言った。


は?なに?誰がそんなこと言ったのよ!?


なんて、いつもならそう思うに決まってる。


でも…………あたしはその声を聞いて
ただただ目を丸くして体を硬直させることしか出来ない。


こ、この声はまさか………


あたしは動かない体を必死に動かし、声がした部屋の出入り口の方に視線を向ける。





「うっせぇ、黙ってろよ変態教師」


光太が睨んでるその先………


その先に腕を組ながら壁にもたれかかっている人物。