「悠雅…悠雅……!」


泣きながら何度も何度も悠雅の名前を呟いて…


悠雅雅口づけてくれた自分の手の甲をぎゅっと握りしめる。


手に爪が食い込んでも

下唇を噛んで涙を必死にこらえても


心の痛みなんかよりもずっと、ずっとマシで…


悠雅があたしのためにこの保健室に来ていたことを思い出すだけで
体が熱くなって息が出来なくなるほど愛おしくなる。


悠雅、悠雅……


戻ってきて。

もう一度、あたしにキスしてよ。


手なんかじゃなくて……


ちゃんと、唇にキスしてよ。


ちゃんと、起きているあたしに口づけて


もう一度あの言葉を言って?


あぁ、もう。

どうしようも出来ない。


この気持ちを止められない。


あたしは悠雅に自分の気持ちを知ってほしくて
たまらなくなった。


あたしも、今度こそ……


悠雅に気持ちを伝えよう。


この心の痛みが治まったら……

あなたのことを追いかけて

大きな背中にしがみついて


何度でも好きって言いたいの。




「悠雅────…」


あたしは心を少しでも落ち着かせるために
深呼吸をして、息を吐きながら
愛しい人の名前呟いた。